SIMフリースマホを購入・利用するときに抑えておきたい点
目次
電気通信事業法の改正で回線契約とセットにした大幅な割引が禁止されたことにより、メーカー公式サイトや家電量販店などでSIMフリースマートフォンを購入される方も増えました。
SIMカードの差し替えなど初期設定を自分で行う必要がありますが、価格的に割安だったり乗り換え(MNP)がしやすい等のメリットがあります。
ただ大手キャリアの窓口で購入して利用する場合と違い、少しSIMフリースマートフォンに関する基本的な知識を抑えておく必要があります。
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スマートフォンの対応周波数
SIMフリースマートフォンを大手キャリアで利用する場合、まず端末がそのキャリアの周波数に対応しているかの確認が必要になります。
※すべての周波数に対応する必要はありません。スマホが対応している周波数が多いほど使える範囲(エリア)が拡がるイメージです。
とはいってもiPhone(アイフォン)やPixel(ピクセル)、大手メーカーの日本国内モデルなら対応バンド数が多く、大手キャリアで利用できないといったことはあまりありません。
各通信会社では動作確認できた端末の情報なども、公式サイトなどで発表しています。
ただし注意しないといけないのは海外モデル(輸入モデル)のスマートフォンを購入する場合です。
海外モデルのスマートフォンの中には主要な周波数に対応していなかったり、技適マークのない(日本国内では使用してはいけない)端末などもあります。
海外モデルの端末を利用する場合は、必ず対応周波数帯の確認をしてください。
※格安SIM(MVNO)サービスで販売されている海外モデルのスマートフォンは、動作確認が済んでいるものが取り扱われています。
※スマートフォンの対応周波数は、端末のスペック表で確認できます。
キャリアの周波数(バンド)
キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天)の4G回線で使用している周波数(バンド)は、以下のとおりです。
キャリアの4G周波数
総務省公式サイトより
- ドコモ バンド1、バンド3、バンド19、バンド21、バンド28、バンド42
- au バンド1、バンド11、バンド18/26、バンド28、バンド42
- ソフトバンク バンド1、バンド3、バンド8、バンド11、バンド28、バンド42
- 楽天モバイル バンド3
この周波数帯(バンド)と端末のスペック表にある対応周波数(バンド)を確認することで、端末がそのキャリアで利用できるかどうかがわかります。
下記はiPhone SE(第2世代)とPixel 4aのスペック表から対応周波数を抜き出したものですが、全てのキャリアで問題なく利用できます。
iPhone SEとPixel4aの対応周波数
SIMフリー端末 | 対応周波数(4G) |
iPhone SE(第2世代) | FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66)
TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48) |
Pixel 4a | LTE: 対応バンド 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 66 |
5G端末のほとんどが、ミリ波のみ対応
5Gに関しても周波数の考え方は同じです。
下の表は各キャリアが5G(Sub6)で使用している周波数帯の表になります。
総務省公式サイトより
上記の表にはないですが楽天モバイルも5G(Sub6)のバンドn77を利用します。
※5G(ミリ波)に関しては4キャリアともにバンドn257が利用されます。
ただ現状5Gが利用できるエリアは一部に限られており、スマートフォンもSub6のみ対応しているものがほとんどです。
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通信会社で必要な手続き
また購入したSIMフリースマートフォンのSIMカードサイズが現在使っているスマートフォンと違う場合は、通信会社でSIMカードの交換手続きが必要になります。
通信会社によって異なりますが、だいたい約2,000円ほどの交換手数料が必要です。
※e-SIM対応端末で物理SIMを発行しない場合は、手数料が不要になる場合もあります。
SIMカードサイズ
またau・ソフトバンクの場合はSIMカードサイズが同じでも機能が異なる複数のSIMカードがあって、交換が必要になってくるケースがあります。
※auの場合はau VoLTE対応・非対応、ソフトバンクの場合はSIMロックフリー端末用SIMなどがあります。
SIMカードの種類によっては現在契約している料金プラン内容に関わってくる項目もあるので、au・ソフトバンクでSIMフリースマートフォンを利用する場合は事前にショップで確認することをお勧めします。
ドコモ、楽天モバイルに関してはSIMカードサイズさえ合っていれば特に手続きは必要ありません。
自分でネットワーク設定(APN設定)などを行えば、基本的に問題なく使用できます。
通信会社が同じならSIMロック端末でも
少し話は逸れますが、現在契約している通信会社の中でオンライン専用20GBプランに乗り換える場合、ドコモ・auに関してはSIMロックを解除する必要はありません。
ドコモのSIMロックがかかった端末はahamo(アハモ)でも利用できますし、auのSIMロック端末もpovo(ポヴォ)で利用できます。
※格安SIM(MVNO)サービスを利用する場合も、基本的にSIMカードの通信会社が一致していれば、SIMロック解除をしなくても使うことができます。
ただしソフトバンクは例外で、ソフトバンクで購入したスマホをLINEMO(ラインモ)で利用する場合は、SIMロック解除が必須になっているので注意が必要です。
LINEMO(ラインモ)に乗り換える場合は、必ず事前にSIMロックの解除を行ってから手続きをしてください。
※ソフトバンクからワイモバイルへ乗り換える場合もSIMロック解除が必要です。
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キャリアで購入した端末をSIMフリー化できる
総務省が携帯電話会社の乗り換え(MNP)の簡便化を図っていることもあり、キャリア(通信会社)で購入したスマートフォンのSIMロック解除も、以前より比較的容易になっています。
公式サイトの個人ページ(My docomoなど)を利用して、自分でロック解除手続きを行えば手数料もかかりません。
乗り換え(MNP)時の事務手数料も2021年4月に各社無料化されるので、端末の購入を検討されている方はSIMフリースマートフォンもチェックしてみてください。
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