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スマートフォン以外にも
2019年10月15日にGoogleから新型のAndroidスマートフォンPixel 4が発表されました。
Soliレーダーを使ったジェスチャー操作、2レンズ搭載したカメラ性能の強化やリアルタイム文字起こし機能などPixel 3からの様々な進化で関心を集める端末になっています。
ただPixel 4の目玉機能の一つであるSoliレーダーを使ったジェスチャー操作は、日本では現在周波数の割り当てなど関連制度の整備待ちの状況で、2020年春から利用可能になる予定です。
この法整備でSoliレーダーが使用している「60GHz広帯域レーダー」の使用が解禁されることに伴い、2020年春以降Googleに限らず各社からこのレーダーを利用した製品の登場が期待されています。
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60GHz広帯域レーダーの特徴
60GHz帯広帯域レーダーの特徴としては、従来のレーダー装置などより感知精度が高くなることです。
現在も既に60-61GHzのレーダーは自動車などに搭載されている衝突防止機能などに活用されています。
ただ、さらにレーダーの帯域を広くすることで更に詳細な物体の位置や、指先の動き等を捉えることができるようになります。
この感知精度の高さを利用して、Pixel 4ではスマートフォンに手を近づけるだけで、着信音を小さくしたりアラームをスヌーズににするといった操作ができるようになっています。
レーダーを使った新機能
広帯域レーダーの感知精度の高さを活用して、今後登場が予想されている技術の代表的なものは以下のものです。
画面などに触れずに電子機器の操作
現在もカメラや赤外線、加速度センサーなどを利用しジェスチャーだけで操作が可能な電子機器があります。
ただ機器の設置(装着)位置などが限られたり、なかなか使うケースが限られています。
レーダーの場合は比較的そういった制限が少なく細かい動きも感知できるので利便性がグッと上がり、スマホに限らずテレビなど家電にも応用が期待されています。
人感センサーとしての活用
広帯域レーダーの感知精度は、心臓の鼓動や呼吸による人体表面の動きを感知して心拍数や呼吸数などを計測することができるので、人感センサーとして利用できます。
フランスの自動車メーカーValeoでは、幼児やペットなどの置き去り防止を目的として車内の天井にセンサーを設置するシステムの開発をすすめています。
レーダー機器は比較的小型化が容易なので、スマートウォッチなどにも搭載が可能です。
カメラを使わない顔認証
レーダーを利用した顔認証システムの開発も行われています。
従来あるカメラの顔認証ではある程度の明るさがないと利用できませんが、レーダーの場合はそういった制限がなく暗い場所でも認証が可能です。
また前述した心拍数や呼吸数など生体情報も併用すれば、より高い精度の個人認証が期待できます。
レーダー活用製品の登場
今回のPixel 4にはSoliレーダーという注目の技術が搭載されましたが、残念ながら日本のユーザーに関しては来年までおあずけになってしまいました。
まあ前向きに考えるなら、新機能なので周りの評判などじっくり様子見して、機能が解禁になる春の入学シーズンなどセールのタイミングを見計らって購入を検討するのも賢い方法です。
「OK、Google」と声でスマホを操作するのはやや抵抗がある方も多かったですが、ジェスチャー操作ならハードルがグッと下がります。
来年以降スマートフォンに限らず、広帯域レーダーを活用した製品の登場が予想されるので注目してみてください。
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