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RAW現像でトイカメラ風に
最近、一部で富士フイルムの使い捨てカメラ「写ルンです」が流行ってます。
フィルム特有の色味や少しノイズっぽい画質やアナログがゆえの不便さなどが、却って若い世代には新鮮でインスタグラムなどでも「写ルンです」で撮った写真がちらほら。
数年前にもトイカメラブームがありましたが、そういった類のカメラで撮れるノスタルジックな雰囲気の写真は需要が高いものがあります。
ただフィルムで撮影をした場合、自分で現像するのは難しく、ほとんどの場合はお店で現像をしてもらう必要が。
さらに印画紙などへプリントアウトすると「写ルンです」本体がもう一個買えちゃうくらいお金もかかります。
カメラって趣味はどうやってもお金がかかるようにできているみたいで、やはりこれは世界の裏社会で暗躍する巨大な組織による陰謀の気配を感じます。気になります。
それはそれとして、一眼レフなどで用いられるRAWファイルの現像でもトイカメラ風の仕上げが比較的簡単にできます。思いっきり我流ですが、みなさんのRAW現像の参考までに。
※RAW現像ソフトはニコンのCapture NX-D(ニコンのホームページから無償ダウンロード可)を使用しています。調整はどのRAW現像ソフトでも可能な基本的な調整のみです。
目標は派手かつノスタルジック
トイカメラと聞いてわたしが思い浮かべるのは派手な発色。少し非現実的な色味で夢の中の世界のような、それでいてどこか懐かしい雰囲気がする仕上がりを目指してみます。
元の撮影データ
まず、目標の仕上がりがノスタルジックな写真ということで、被写体もブタの蚊取り線香入れを選びました。
RAW現像と関係ない全く関係ないところで、自分でも多少あざとさを感じないわけではないですが、ここは強気に気にしません。要は勝ちゃあいいんです、大人ってそういうもんです。
ちょっぴり心の闇を吐き出したところで本題に。とりあえず派手な発色にするためピクチャーコントロール(仕上がり設定)をビビットに設定します。
ピクチャーコントロールをビビット
ホワイトバランスで好きな色味に
次にホワイトバランスで写真全体の色味を決めますが、ここはマニュアルを使って自分の好みの色合いに。
マニュアルといってもスライドボリュームを適当に動かすだけなので簡単です。すこし極端に設定すると、より非現実的な雰囲気になります。今回はシアンを最大にまで強めてみました。
シアンを強めに設定
トーンカーブで階調をきつく
さらにコントラストを上げるため、トーンカーブを使って調整します。基本と言われるS字というやつです。トーンカーブはマウスでドラックすると簡単に変化させることができます。
写真の暗いところをより暗くするために、直線の左より部分を下に曲げ、逆に明るいところ(右より部分)は反対に上に曲げる。直線がすこしS字を描くように変化させます。
トーンカーブで色の階調をきつめに
周辺光量を落として中央にスポットライト
最後に写真の周辺光量を落とします。わざと写真のまわりの光量を落とすことで、逆に中央付近がライトアップされ浮かび上がるようなるような効果を狙います。
ニコンのNX-Dで周辺光量の調整は「カメラとレンズの補正」の項目にあるヴィネットコントロールで行います。これで完成です。
周辺光量を落として中央を浮き出させる
D5500のトイカメラ風エフェクトと比較
ちなみに私の使っているカメラニコンのD5500にはエフェクト機能があって、そのなかにトイカメラ風という項目があります。
答え合わせも兼ねてその機能で撮影した写真とも比べてみたいと思います。
D5500のエフェクト機能「トイカメラ風」で撮影
比較画像
あれっ?思ってたのと全然違う・・・・・。
D5500のほうは自然な感じに仕上がってますね。
あくまで現実の色味をベースに考えられてます。特に横に並べるとわたしの現像の色味のきつさが更に目立ちますが、まあこれはこれで。周辺光量を落とすのは同じでした。
私が持っている”トイカメラで撮った写真”のイメージが偏りすぎているのと、ブログで見た目にも解かりやすいようにと、少しやり過ぎてしまったようです。
まあこれはこれで味がある仕上がりってことで。
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