写真の明るさで失敗を減らす、カメラの露出計の誤差の話

木漏れ日

カメラは明るさを間違うことがある

スマホでもコンデジでも一眼レフでも、カメラは同じ被写体を撮影していても構図を変えると写真の明るさが変化して、色味がおかしくなることがあります。これはカメラが被写体の色のバランスによって、実際の明るさを勘違いしてしまうことに原因があります。

カメラは内蔵の露出計を使って明るさを測定しているのですが、その仕組み上どうしても誤差が生じてしまいます。

今はフィルム時代とは違い、失敗すれば撮り直せばいいケースも多いですが、子供の一瞬の表情や電車のような動きもの、スポーツの決定的瞬間など撮影チャンスが限られるものもあります。

できれば撮影は一発できめたいのは皆が思うところ。今回は写真の明るさで失敗することが減らせるよう、カメラ内蔵の露出計の誤差について少しまとめてみたいとおもいます。

人の目で見た明るさ

写真の明るさの話で避けて通れないのが露出という言葉です。本来の意味はフィルムや映像素子に光を当てることを指す言葉ですが、要は露出によって写真の明るさが決まります

撮影する写真を明るくしたい場合は露出補正の値をプラスに、暗くしたい場合はマイナスに、写真撮影においてよく使う機能の一つです。

ではカメラの露出計(インジケーター)が示すプラスマイナス0とはどういう意味なのか。それは人の目で見たとおりの明るさを再現するという値です。標準露出とも言われたりします。

カメラはオートモードなど(マニュアルモード以外)で撮影した場合、基本的に標準露出(プラスマイナス0の値)で撮影されるようになっています。なので写真の明るさを変えたい場合は、露出補正を設定します。

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なぜカメラは明るさを間違うのか

カメラの露出計(インジケーター)の値が常に正確であれば、確実に正しい標準露出が得られ思い通りの明るさで撮影できるのですが、カメラを構えた場所から明るさを計測する仕組み上、どうしても誤差が出てしまいます。

本来、正確に明るさを測るなら、被写体の位置に立ってそこに入ってくる光(入射光)を測る必要があります。当然、それはカメラに内蔵されている露出計では無理です。

実際にどうやって明るさを測っているかというとカメラ内蔵の露出計は被写体の反射光を計測し、それを基準に写真の明るさを決定しています。

背景を含めた被写体の反射光を測定し、光の反射率を平均18パーセントとして計算して明るさを決めるのですが、問題は被写体の色によって光の反射率は異なることです。これが誤差に繋がります。

特に白色や黒色の被写体は光の反射率18パーセントから大きく外れるため、実際の明るさとカメラが測定して割り出した明るさの誤差が大きくなります。

明るさを測る場所で、写真の明るさも変わる

下の写真は一眼レフカメラ(ニコンD5500)を使って室内から窓を撮影した写真ですが、スポット測光という機能を使い、カメラが明るさを測る場所(測光ポイント)を変えて撮影しています。モードはプログラムモード(オートモード)で露出補正は三枚とも±0に設定しています。

窓

窓

窓

一枚目は画面全体(マルチパターン測光)、二枚目は窓の光の場所、三枚目は窓の下の壁の場所で測光して(明るさを測って)撮影しました。明るさを測るポイントを変えるだけで写真の明るさが大きく変化しています。

一枚目の明るさを基準に比べてもらうと、カメラで明るいところを測光すると全体としては暗く、暗いところを測光すると全体として明るく撮影することがわかります。この明るさの差が被写体の反射率による誤差になります。

見た目通りの色を再現するには

簡単にまとめると、人の見た目どおりの明るさを再現する(標準露出で撮影する)には、被写体の光の反射率が18パーセントかつカメラの露出計(インジケーター)が±0の値、二つの条件がそろってはじめて、正確な明るさで撮影できるということです。

ただ風景やスナップ写真などを撮る場合、そこまで条件を神経質に考える必要はありません。そういった写真を撮影するときは、被写体に様々な色が存在するケースが多く、光の反射率が大きく18パーセントから外れることは少なく、カメラ内蔵露出計の値と実際の明るさがそれほど大きくズレません。(正確ではありませんが)

気を付けないといけないのは、極端に明るいところや暗いところ、上の例ような明暗差が激しいところ、写真の構図上、画面全体に白いものや黒いものが多く配置されている場合などです。

目で見た感じの明るさ(標準露出)で撮影したい場合、全体的に白っぽいものを撮るときは露出をプラス(カメラは実際よりも明るいと勘違いして、暗く写してしまうので)に、黒っぽいものを撮るときは露出をマイナス(カメラは実際より暗いと勘違いして、明るく写してしまうので)にすると、意図した明るさに近い写真を撮ることができます。

言葉の響きで勘違いして、明るいところでは露出をマイナスに、暗いところでは露出をプラスにしてしまうと、白いものも黒いものも実際の色よりもグレーよりに写ってしまうことになるので注意してください。

バイク

スポット測光で標準露出を得る

スポット測光ができるカメラに限られますが、標準露出を得たいときに用いる手段のひとつとして、グレーカード(市販されている反射率18パーセントの灰色のカード※関連記事 Nikonの18%標準反射板を買ってきて使ってみた )を使う方法があります。カードを撮影する被写体と同じ位置に配置し、スポット測光を使ってそのグレーカードを測光することで標準露出が得られます。

またすこし精度は落ちますが、反射率がおよそ18パーセントになる色を経験則として覚えておき、そこをピンポイントで測光する方法も有効です。日本人の肌、道路のアスファルト、木々の緑などはだいたい反射率18パーセントと言われており、ちょっと標準露出がどのくらいなのか目安が欲しいときなどは便利です。

誤差があることを頭の片隅に

反射率18パーセントとか数字はどうでもいいのですが、カメラ内蔵の露出計はあくまで反射光を測定しているので、実際の明るさとカメラが考える明るさには誤差が出る場合があることを抑えておいてください。

適正露出を得ることは写真に色を再現するうえでとても大切になります。特に真っ白い被写体を見た目どおりの白に写すのは、白の光の反射率が高いせいで露出を間違ってしまいがちで、意外と失敗してしまうことがあります。

結婚式などで花嫁のウエディングドレス姿を撮影するときは、特に注意が必要です。露出を間違えて白いウエディングドレスをグレーに撮影したりすると一生恨まれかねませんよ。

まあ個人的に思うところがあって、新郎新婦に「結婚生活なんて灰色だ」といった人生訓半分、やっかみ半分といった類のメッセージを写真に込めたのなら、全く問題ありません。思う存分、露出をマイナスに撮影しましょう。おっと、また心の闇が漏れてしま・・・。

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