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コンデジでも背景はボケる
写真撮影のテクニックとして、背景をぼかすという方法があります。
メインとなる被写体にだけピントを合わせそれ以外の周り背景をぼかした写真を、雑誌や広告などでもよくみかけます。
背景をボケさせることによって、メインの被写体を浮かびあがらせて強調する効果だったり、画面にボケをつくることで柔らかい雰囲気に写真を仕上げたり定番の手法です。
こういったボケの表現はレンズが交換できる一眼レフやミラーレスカメラの得意とするところですが、実はコンパクトデジタルカメラでもできないことはありません。
そんなに難しいテクニックではなく、コツさえ知っていれば簡単に背景をぼけた写真がすぐに撮れます。
自分の写真の練習も兼ね、実際にコンデジをつかって背景ボケの写真を撮影してみました。何枚か紹介してみたいと思います。
※サンプル画像はブログ用にファイルサイズを小さくしています。実際の撮影データはこのブログのflickrページにアップしておきます。
撮影機材 Canon PowerShot SX710 HS
背景をぼかす要素
写真撮影でボケを表現するには、絞り(F値)、焦点距離、撮影距離、背景との距離が関係すると言われますが、これはコンデジでも一眼レフでも理屈は同じです。
これらの要素を変化させることでボケが生まれるのですが、詳細について語りだすとややこしくなるので今回は割愛。
とりあえず背景をぼかすには4つくらいの要素があって、ぼかす方法はひとつだけではなく複数あることだけ抑えてください。
ズームいっぱいで撮影すればボケる(焦点距離)
コンデジで背景をぼかしたい場合、一番簡単なのはカメラのズーム機能を利用する方法。ズームを最大にして同じ被写体を撮影すると、背景が簡単にボケてくれます。
ただしズームで拡大した分だけ撮影者が被写体から離れる必要があり、手ぶれもしやすくなるので注意が必要です。
4.5 mm(ズームなし) 撮影モード AUTO(オート)
67.939 mm(ズームで拡大して撮影)撮影モード AUTO(オート)
背景が離れるとボケる(背景との距離)
被写体とその背景の距離でもボケかたが変化します。
メインの被写体と距離が近いものはピントが合いやすくなり、あまり背景もボケません。
背景には少し離れた場所を選んでやると、距離が離れた分だけボケやすくなります。
※撮影モード AUTO(オート)同じ設定で撮影
旅行などで写真を撮るときに背景をぼかしたい場合、壁際などに立って撮影するよりは、展望台などで柵にもたれて遠景と一緒に撮影するとボケやすくなります。
絞りを開けるとボケる(F値)
すこし難しくなりますが、カメラの絞りを開く(F値を小さくする)方法でも背景をぼけさせることもできます。
最近のコンデジは撮影モードが複数から選べるようになっており、絞り(F値)を変更して撮影することが可能。
この方法をつかう場合は、Av(絞り優先)モードやM(マニュアル)モードを利用します。
絞り値の設定方法は機種により異なるので説明書を確認してください。
ただ注意点としてマニュアルモードの場合、絞りを開けると写真が明るくなりすぎるケースがあるので、シャッタースピードやISO感度の調整も必要になります。
と、えらそうなことを言いながら、下のサンプル画像が絞りを明けすぎで、すこし白飛びしてるのはご愛敬です。
f/8 撮影モード Av(絞り優先)
f/3.2 で(絞りを開いて)撮影 撮影モード Av(絞り優先)
カメラと被写体が近いとボケる(撮影距離)
単純にカメラと被写体の距離が近いと背景はボケやすくなります。
下の写真は全く同じ設定でカメラ本体とミカンの距離を変えただけです。被写体に近付くほどボケやすくなります。
ただしカメラには最短撮影距離(近づいてフォーカスが合う限界)があるので、近づき過ぎには注意してください。
1/20 秒 f/3.2 4.5 mm 撮影モード AUTO(オート)
1/20 秒 f/3.2 4.5 mm 撮影モード AUTO(オート)※ミカンに近寄って撮影
とりあえずズームで
とりあえずコンデジで背景をボケさせたいときに、簡単なのはズーム最大で撮影することです。
ズームを使うことで被写体が大きくなり過ぎ、フレームからはみ出た分は後ろに下がって撮影してください。
被写体との距離がとれない場合は、他の要素も複数絡めて合わせ技でやると上手くいきます。
写真を趣味にされるかたのなかには、ボケ表現から写真にハマる人もいます。綺麗なボケ写真が撮影できると非常に楽しいので、一度試してみてください。
ただしあまりハマってしまうと、もっといいカメラが欲しくなる罠が待っていますが・・・。
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