大手キャリアが販売する5G端末のミリ波・sub6への対応状況

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大手キャリアが販売する5G端末のミリ波・sub6への対応状況

日本国内の5G通信は「sub6(3.7GHz帯及び4.5GHz帯)」と「ミリ波(28GHz帯)」と呼ばれる周波数帯を用いてサービスが提供されます。

ただしミリ波(28GHz帯)はその特性からエリア展開などに時間がかかることもあり、現在はsub6と従来の4G周波数帯を5G転用するかたちで利用範囲を拡げている状況です。

昨年、日本国内で発売されたiPhone 13シリーズも5G通信は「sub6」のみの対応で、ミリ波対応に関しては見送られました。

そういった状況もあり大手キャリアで販売されている5G対応スマートフォンのなかでミリ波に対応しているのは、まだハイエンドモデルなどの一部製品に限られています。

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ミリ波とsub6の違い

いわゆる高速低遅延といわれる5G通信はミリ波・sub6と呼ばれる周波数帯を利用しますが、エリア拡大に時間がかかることもあり日本では4G周波数帯の5G転用も行われています。

ただし元々4G回線で利用している周波数帯なので、ミリ波・sub6ほど通信速度は出ません。

それぞれに電波の届きやすさ(範囲の広さ)と通信速度で以下のような特徴があります。

5Gの周波数帯による比較

利用する周波数帯 通信速度 エリア
ミリ波 sub6よりさらに高速 sub6より範囲が狭い
sub6 4Gに比べ高速 4Gより範囲が狭い
4G周波数帯の5G転用 従来の4Gと同等 範囲が広い

ミリ波は一番高速なデータ通信が可能ですが、その反面電波が遠くまで届きにくい(エリアが狭くなる)特性があります。

そのためミリ波が利用できるエリアは、特定の施設内などスポット的な狭い場所に限定されているのが現状です。

一方でsub6は比較的範囲が広くなりますが、ミリ波に比べると通信速度が落ちます。

ただsub6周波数帯を複数利用することで通信速度を高速するサービスなどもあり、今後は速度面の差も縮まってきそうです。

大手キャリアが利用する5G周波数帯

現在大手キャリアが利用している5G周波数帯は次のとおりです。

5G周波数帯

総務省公式サイトより

※楽天モバイルはn77を利用

※28GHz帯(いわゆるミリ波)に関しては全社n257を利用

n77・n78・n79(3.7GHz・4.5GHz帯)がいわゆるsub6、n257(28GHz帯)がミリ波に相当する周波数帯(バンド)です。

スマートフォンがどの対応周波数帯(ミリ波・sub6など)に対応しているかは、端末のスペック表などで確認できます。

ミリ波対応機種、sub6対応機種

現在キャリアが販売する5G対応端末の「sub6」「ミリ波」対応状況は以下の通りです。

iPhone(共通)

機種名 メーカー sub6 ミリ波
iPhone 13シリーズ Apple
iPhone 12シリーズ Apple
iPhone SE(第3世代) Apple

ドコモ端末の対応状況

ドコモのミリ波に対応した機種は、富士通のarrows 5GとサムスンのGalaxyシリーズの上位モデル、2021年6月発売のXperia 1 IIIになります。

機種名 型番 メーカー sub6 ミリ波
arrows 5G F-51A FCNT
arrows NX9 F-52A FCNT
arrows We F-51B FCNT
らくらくスマートフォン F-52B FCNT
Galaxy Z Flip3 5G SC-54B Samsung
Galaxy Z Fold3 5G SC-55B Samsung
Galaxy S22 Ultra SC-52C Samsung
Galaxy S22 SC51C Samsung
Galaxy S21 Ultra 5G SC-52B Samsung
Galaxy S21 5G SC-51B Samsung
※Olympic Games Edition SC-51B Samsung
Galaxy Note20 Ultra 5G SC-53A Samsung
Galaxy S20+ 5G SC-52A Samsung
Galaxy S20 5G SC-51A Samsung
Galaxy A52 5G SC-53B Samsung
Galaxy A51 5G SC-54A Samsung
AQUOS R6 SH-51B シャープ
AQUOS R5G SH-51A シャープ
AQUOS sense6 SH-54B シャープ
AQUOS sense5G SH-53A シャープ
Xperia 1 III SO-51B ソニー
Xperia 1 II SO-51A ソニー
Xperia 5 II SO-52A ソニー
Xperia 5 III SO-53B ソニー
Xperia 10 III SO-52B ソニー
あんしんスマホ KY-51B 京セラ
LG V60 ThinQ 5G L-51A LG
LG VELVET L-52A LG

au端末の対応状況

auでは主にサムスンのGalaxyシリーズがミリ波に対応しています。

機種名 型番 メーカー sub6 ミリ波
Google Pixel 6 Google
Redmi Note 10 JE XIG02 Xiaomi
Google Pixel 5 Google
Xperia 5 III SOG05 ソニー
Xperia 10 III SOG04 ソニー
Xperia 1 III SOG03 ソニー
Xperia 5 II SOG02 ソニー
Xperia 1 II SOG01 ソニー
Galaxy Z Flip3 5G SCG12 Samsung
Galaxy Z Fold3 5G SCG11 Samsung
Galaxy S22 Ultra SCG14 Samsung
Galaxy S22 SCG13 Samsung
Galaxy S21+ 5G SCG10 Samsung
Galaxy S21 5G SCG09 Samsung
Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06 Samsung
Galaxy S20 Ultra 5G SCG03 Samsung
Galaxy S20+ 5G SCG02 Samsung
Galaxy S20 5G SCG01 Samsung
Galaxy A53 5G SCG15 Samsung
Galaxy A32 5G SCG08 Samsung
Galaxy A51 5G SCG07 Samsung
Galaxy Z Fold2 5G SCG05 Samsung
Galaxy Z Flib 5G SCG04 Samsung
AQUOS sense6s SHG07 シャープ
AQUOS wish SHG06 シャープ
AQUOS sense6 SHG05 シャープ
AQUOS zero6 SHG04 シャープ
AQUOS sense5G SHG03 シャープ
AQUOS zero5G basic DX SHG02 シャープ
AQUOS R5G SHG01 シャープ
arrows We FCG01 FCNT
TORQUE 5G KYG01 京セラ
OPPO Find X3 Pro OPG03 OPPO
OPPO A54 5G OPG02 OPPO
OPPO Find X2 Pro OPG01 OPPO
Mi 10 Lite 5G XIG01 Xiaomi
ZTE a1 ZTG01 ZTE

ソフトバンク端末の対応状況

ソフトバンクではソニーのXperia 1 III・シャープのAQUOS zero6・Google Pixel 6 Proの3機種がミリ波に対応しています。

機種名 メーカー sub6 ミリ波
Google Pixel 6 Pro Google
Google Pixel 6 Google
Google Pixel 5 Google
Google Pixel 4a Google
Xperia 5 III ソニー
Xperia 1 III ソニー
Xperia 5 II ソニー
シンプルスマホ6 シャープ
AQUOS wish シャープ
AQUOS zero6 シャープ
AQUOS R6 シャープ
AQUOS zero5G basic シャープ
AQUOS R5G シャープ
AQUOS sense5G シャープ
LEITZ PHONE 1 シャープ
arrows We FCNT
razr 5G モトローラ
Redmi Note 10T シャオミ
Redmi Note 9T シャオミ
ZTE Axon 10 Pro 5G ZTE
LG V60 ThinQ 5G LG
OPPO A55s 5G OPPO
OPPO Reno3 5G OPPO
BALMUDA Phone バルミューダ

楽天モバイル端末の対応状況

楽天モバイルは自社端末の上位モデルでミリ波に対応しています。

機種名 メーカー sub6 ミリ波
Rakuten Hand 5G 楽天モバイル
Rakuten BIG s 楽天モバイル
Rakuten BIG 楽天モバイル
OPPO A55s 5G OPPO
OPPO Reno 5A OPPO
AQUOS wish シャープ
AQUOS sense6 シャープ
AQUOS zero6 シャープ
AQUOS R5G シャープ
Xperia 10 III Lite ソニー

4G周波数の5G転用とは

5Gで用いられる周波数帯は従来の4G周波数帯より電波が届きづらい特性があってエリアを拡げるには時間がかかり、現時点では都市部など限られた地域でしか5G通信を利用できません。

そういった状況を打破する対策として、既存の4G周波数を5Gに転用してのエリア展開が並行して行われています。

周波数の転用には「DSS(ダイナミックスペクトラムシェアリング)」という仕組みを用い、メリットとしては4G並の広範囲のエリアをカバーでき、5Gの特徴の一つである低遅延を実現できるとされています。

ただしあくまで4Gの周波数を利用するため、通信速度が4Gとそれほど変わらない(sub6やミリ波ほど通信速度がでない)ことがデメリットです。

そのため総務省は利用者に優良誤認を招かないよう、事業者(キャリア)には通信速度が把握できるようエリア(sub6、ミリ波、4G周波数)を明示することなどを求めています。

5Gエリアとサービスの拡がり次第

徐々に5Gエリアは都市圏など中心に拡がってきており、キャリアで販売される新しいスマートフォンは5G対応端末のものが多くなってきました。

ただやはり5G通信が使える場所はまだ限られており、機種変更時に5G対応だから選ぶというよりは、購入したら5Gに対応していたといった感じです。

個人的にミリ波に関しては自分が日常で利用する場所が対応エリアでない限り、現状ではそれほど気にする機能ではないと思っています。

ただ駅などを中心に5G(sub6)エリアは徐々に拡がってきており、利用目的によっては5G端末を選ぶメリットも出てきたかなといった感覚です。

今後は各社5Gの高速通信を活かした新しいコンテンツやサービスの開発も予定されているので、端末を購入する際は併せてチェックしてみてください。

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