化学教師がバッドヒーローへと変化していく「ブレイキング・バッド」

ブレイキング・バッド オフィシャルサイトより

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アメリカTV界の最高峰エミー賞を総なめ

北朝鮮を題材にしたコメディ映画「ザ・インタビュー」が、有料配信3日間で約18億円の売り上げを達成したことがニュースになりました。

サイバー攻撃騒動や公開中止の撤回など何かと話題が先行した作品でしたが、その後も売り上げは順調で商業的に大成功を収めました。

今回はその話題のソニーピクチャーズが制作したドラマ「ブレイキング・バッド」を紹介します。

最近の海外ドラマを語るときに必ず名前が上がる、全米に大ブームを巻き起こしたファン必見の傑作ドラマです。

最終回は1068万人がリアルタイム視聴

ブレイキング・バッドはソニーピクチャーズによって制作され、ケーブルチャンネルAMCによって放送されたテレビ人気シリーズ。

番組の開始当初は、主人公が中年の化学教師と一見地味な作品で、キャストなどの知名度も低かったため、あまり話題になっていない作品でした。

ですが放送開始後から視聴者などの口コミで反響が広がり、最終回に至ってはリアルタイム視聴数1068万を記録。

社会現象を起こすまでの大ヒットドラマに成長しました。

普通の化学教師が悪の道へ

タイトルの「Breaking Bad」は日本語に訳すると「悪に進んでいく」の意味。

主人公ウォルター・ホワイトは内気で温厚な化学教師で、貧しいながらも堅実に真面目な生活を送っている普通の中年教師。

その主人公がある日突然、自身が肺ガンに侵されていること医者に宣告されます。

余命わずかだと知ったウォルターは身重の妻と障害を持つ息子の為に、少しでも財産を残そうと考える。

そして自分の化学の知識を活かしたドラッグの密造に手を出し、そのことによって様々なトラブルに巻き込まれていきます。

生き残る為に変化していく主人公

この作品で特徴的なのが主人公ウォルター・ホワイト。どこにでもいる中年の化学教師を中心にストーリーが描かれていきます。

彼は自分の体がガンに侵され自分の命がそんなに長くないと悟ったとき、残されてしまう愛する家族の為にその命を使う決心をします。

その覚悟が良くも悪くも彼を大胆な行動へと突き動かす。ドラッグの密造に関わることで、今までとは全く違った世界に足を踏み入れるウォルター。

薬の売人やギャングたちと命をかけたやり取りを続けていくうちに、彼の中で何かが少しずつ変化していく。

どこにでもいる中年の男が、少しずつハードでタフに変化していく姿を描くストーリーでもあります。

一筋縄ではいかないバッドヒーロー

出てくる登場人物たちは主人公のウォルターをはじめ、皆どこか弱い面があったり感情に流されたり。

相棒のジェシーしても、金のためドラッグの密造に手を染めながら、生来の心根の優しさからどうしても悪に徹しきれない。

彼らは自身の悪行と良心の間で非常に苦しみます。

そういった登場人物の感情や想いが丁寧に掘り下げられており、一筋縄ではいかないバッドヒーローの姿が人間味溢れ、魅力的に描かれています。

次々と連鎖していく緻密に計算された脚本

海外ドラマでは、意味なく伏線だけガンガンに広げておいて、全部ほったらかしのまま終了といったことがたまにあります。

「結局あれは何だったんだ」と視聴者がポカーンといったことはこの作品に関してはありません。

作中で起こる出来事には全て意味があり、人々の行動や後々の出来事にも波及して次の事件をひき起こしていく、非常に練られた脚本になっています。

一つの出来事に登場人物たちが反応し事態がまた変化する。すべての出来事が綿密に連携をして物語を推し進める。

そのストーリーの連鎖反応に視聴者はどんどん引き込まれていき、話の続きが気になっていく秀逸な脚本です。

長編ドラマだからこそ描ける世界

近年の海外ドラマ史上、傑作の一つであることは間違いないのですが、人を選ぶ作品でもあります。

決して壮快なアクションドラマでもありませんし、心温まる家族愛のドラマでもありません。どちらかというと人間の欲望や感情、残酷さなど重いテーマを扱った作品です。

ただそれが強烈に胸に突き刺さり、他の作品にはない魅力で視聴者を惹きつけます。お腹の底にズシッと重たいものが残るような重厚なストーリーに、気が付くと嵌(はま)っています。

個人的には全力で自信を持っておすすめする作品です。さすがにアメリカの熱狂的なファンみたいにスキンヘッドにする勇気はありませんが。

一人の人間を深く掘り下げて描く壮大なストーリーを、ぜひ楽しんでほしいと思います。

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