なんでもない日常を魅力的に描く「よつばと!」

紫陽花

あたたかで愛おしい世界を紡ぎだす日常系漫画の傑作

漫画やアニメにおいて、日常系という新しいジャンルの括りが定着しつつあります。

最近よく使われる言葉ですが、比較的新しい概念なので明確な定義はありません。みんな適当に使っています。

どういった系統の作品が「日常系」と言われるかというと、淡々と登場人物たちの普段の生活や機微を描き、その雰囲気や世界観を楽しむ作品が総じて日常系と呼ばれることが多いです。

日常系と呼ばれる作品はその性質上、ストーリーなどに起承転結といった盛り上がりや変化が少ないため、人によっては「何が面白いのか全くわからん」と酷評されることも多いジャンルです。

そういった万人受けしないジャンルであることを解った上で、ぜひおすすめしたい日常系の作品「よつばと!」を紹介します。

累計1000万部の人気作品

「よつばと!」はあずまきよひこさんによる漫画作品で、累計1000万部を超える人気作品です。

文化庁日本のメディア芸術100選などにも選出されており、海外にも翻訳出版され100万部を突破しています。

最近では作中に出てくるキャラクター「ダンボー」のフィギュアが商品化されたこともあり、そちらで作品を知られる方も増えているようです。

好奇心いっぱいの活発な女の子「よつば」を中心に周りの人々を巻き込んだ明るく楽しい日々を綴る、日常系と言えば「よつばと!」と言っても過言ではない、超が付くほどの人気作品です。

■ちょっとかわった女の子「よつば」と、とーちゃんと、まわりの人たちとのなにげない日常を描いたマンガです。だいたい1日1話のペースで物語はゆっくりと進んでいきます。
■セミをとったり、プールに行ったり、花火をしたり、寝たり、泣いたり、笑ったり。よつばの新鮮な毎日を、ご一緒にお楽しみください。

よつばスタジオホームページより引用

どこにでもある風景が楽しい世界に

この作品で主に描かれているのは、本当に平凡な日常の出来事です。デパートへ買い物にいく話だったり、近くの神社でどんぐりを拾う話だったり。

普段の生活のなかでどこにでもありそうな風景が、主人公よつばの目を通して描かれることで驚きと発見に満ちた楽しい世界に変化していきます。

誰もが幼いときに経験した感覚、見るもの全てが新鮮で驚きや感動の連続だった頃のことを呼び起こして、読んでいるとすこし懐かしい気持ちに。

大人になってあたりまえに過ごしている世界は平凡で退屈にみえても、少し見方を変えるだけでこんなに輝いて見えるんだと感じさせてくれます。

心優しい個性豊かな登場人物たち

主人公よつばも含め、個性的なキャラクター達が多く登場します。よつばの「とーちゃん」やその親友「ジャンボ」など魅力的なキャラクターが多いのも「よつばと!」の特徴です。

特に出てくる大人たちは一般的な大人のイメージとは少しズレていて、無邪気な少年っぽさを残していたり、どこか一癖あって変わっていたり。人間味あふれたキャラクターたちが多く出てきます。

そのキャラクターたちがみな心優しく、また主人公よつばのことを慈しんでおり、そのあたたかな雰囲気が読んでるものに心地良さを感じさせてくれます。

森林植物園の紫陽花

近くにありそうで、でも見つけられない理想郷

この作品は登場人物たちの内面的な心理描写があまりありません。基本的には出来事が淡々と描写されていきます。

なのでストーリー漫画のように登場人物に感情移入してストーリーにのめり込むといった感じではありません。

読んでいるほうは、主人公よつばを中心とした明るく楽しい箱庭の世界を、外から客観的に眺めているような感覚が近いかもしれません。

そのせいか作品の世界が一種の理想郷のように感じられる面もあり、読み終わったあと少し切なさにも似たノスタルジックな感想を持たれる方もいます。

読み終わったあと、きっとあたたかい気持ちになれる

基本的に「よつばと!」は読者に対して細かい説明をする作品ではありません。どちらかというと内容については各自自由に読み取って下さいといった作品です。

その為、読む人によって大きく感想が違ったり評価が別れることもあります。

ですが私が知ってる日常系の作品のなかで「これでダメなら、もう仕方がない」と自信をもって送り出す9回の守護神的な存在の作品です。

読み終わったあと、きっとあたたかい気持ちになれる、もう一度読みたくなる、また読むたびに新たな発見がある。

年間50セーブも夢じゃない殿堂入りクラスの作品なので、ぜひ一度手に取ってみてください。

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