動画見放題などのゼロレーティングがなぜ問題視されているのか

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公平な電波の利用

現在、総務省が開催しているネットワーク中立性に関する研究会において、ゼロレーティングに関する指針の年内取りまとめが進められています。

ゼロレーティングとは特定のコンテンツに対して通信量をカウントしない(動画見放題サービスなど)ことで、大手キヤリアや格安SIMでも一部のプランで提供されてます。

ただゼロレーティングサービスは、電波という公共財を公平に利用するといった観点からは外れてしまう側面があるので、一定のルールを取り決めていこうという流れです。

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無制限なら全てのコンテンツを

公平性の観点でゼロレーティングが問題視されているのは、特定のコンテンツを優遇していることです。

現在、ゼロレーティングサービスは特定の動画配信サービスやSNS、アプリを指定して、通信量を気にせず無制限に利用できる仕組みになっています。

当然ユーザーは指定されたサービスを中心に利用することになり、ゼロレーティングに指定されていない同種のサービスは利用しずらい状況に。

その結果、公共の財産である電波を特定の企業(サービス)だけが有利に利用できることになります。

このことは公平な競争を阻むことに繋がり、新規サービスが生まれにくくなる弊害やネットワーク中立性を考える上でも問題になります。

ゼロレーティングを実施するなら特定コンテンツだけではなく、全てのコンテンツを対象にするのが理想です。

通信量の増大につながる

ただし全てのコンテンツをゼロレーティングの対象にするというのは、あくまでコスト面を考えない場合の理想です。

現在、ゼロレーティングサービスをすべてコンテンツに対して無制限にするだけの通信量に耐えるネットワーク設備は整っていません。

通信業者では混雑時間帯などに帯域制御をおこなっている状況です。

ゼロレーティングによってネットワークの利用促進に繋がる反面、通信量の増大という問題が付きまといます。

帯域制御の実施に関しても料金負担の公平性を考えるなら、ゼロレーティングを契約していない利用者には影響が出ない仕組みを考える必要があります。

通信の秘密を守る

ゼロレーティングサービスでは特定のコンテンツを指定する仕組み上、通信内容がゼロレーティングの対象コンテンツかどうかを確認するために通信内容を分析する必要があります

ユーザーの通信内容を分析することは通信の秘密の侵害に繋がりかねないリスクがあり、事業者は慎重な運用が必要です。

また特定の通信だけをカウントする仕組み上、指定外アプリから対象サービスを利用したケースはどうなるかといった通信量をカウントする基準もわかりにくくなりがちです。

事業者はゼロレーティングサービスの契約時に、ユーザーが解かりやすい契約内容の説明やゼロレーティングのカウント基準を示すことが求められています。

今後の流れ

ゼロレーティングサービスに関しては、総務省で年内に一定の指針が取りまとめられる予定です。

今回の議論では問題点の指摘がされていますが、ゼロレーティングサービスを禁止しているわけではありません。

ただし10月1日から一部改正された電気通信事業法利用者のように、利用者がわかりやすい契約内容や料金負担の公平性が求められています。

今後発表される指針を受け一部サービス内容の調整なども考えられるので、利用されている方はすこし気にしておいてください。

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