クラウドSIMサービスの「どんなときもWiFi」が無制限プランの提供終了
株式会社グッド・ラックは同社のクラウドSIMサービス「どんなときもWiFi」における無制限プランの提供を終了することを発表しました。
現在の無制限プランは2020年10月31日に終了し、利用中のユーザーには代替プランとしてモバイルルーターとホームルーターの2台運用する大容量プランを提示。
代替プランを希望しないユーザーに対しては無償での契約解除を受け付けるとしています。
関連記事
クラウドSIMサービスとは
「どんなときもWiFi」が提供しているクラウドSIMサービスは、おおまかにいうと複数のSIMカードを複数のユーザーで共有する仕組みのサービスです。
クラウドSIMの仕組み
SIMサーバーにある複数のSIMを使うことで通信可能エリアの広さやSIMのまとめ買いによる料金的メリットがある一方、ユーザー全体の通信量が増え過ぎると障害が発生する(通信速度が落ちるなど)デメリットがあります。
今回「どんなときもWiFi」では無制限でサービス提供をしていくと事業の採算上サービスの継続が困難とし、プランの終了を発表しました。
関連記事
代替プランは2台運用
株式会社グッド・ラックは現在「どんなときもWiFi」の無制限プランを利用しているユーザーに対し、改めて代替プランを提示するとしています。
代替プランは家庭内用ホームルーターと外出先用のモバイルルーターを2台使用する大容量プランで、料金は今までの1台契約時と同程度の金額を考えているとのことです。
詳細については各ユーザーへ個別にメールおよび電話にて案内されます。
クラウドSIMサービスのリスク
今回の無制限プラン終了の発表に際して、株式会社グッド・ラックとして以下の見解も併せて発表しています。
弊社の無制限データ通信についての考え
1. 現時点でキャリアからの特例的な契約がない限り、本当の意味での誰に対してもデータ容量無制限での利用は不可能
2. クラウドSIMシステムはデータ容量無制限を提供するものではなく場所とキャリアに縛られない通信環境を提供する技術である
3. クラウドSIMシステムで、無制限的な状態を提供するためには、精緻な運用とリスクがある
4. 無制限でサービス提供をしていくと、想定を遥に上回るテラを超えるお客様もおり、結果上位5%のお客様で総容量の20%を占める状態となり、事業の採算上サービスの継続が困難
5. 精緻な運用のためには、お客様の利用量のコントロールも必要となり、急な低速化や細かな制限などをせざるを得なくなり、無制限とは言い難く、お客様に対して誠実ではなくなる
今年6月に総務省から行政指導を受けた経緯なども含め、今回の件でクラウドSIMサービスが抱えるリスクが大きく浮き彫りになりました。
クラウドSIMサービスは料金的なメリットがある一方、こういったリスクがあることを抑えたうえで活用してください。
関連記事