花粉症の症状軽減にヨーグルトとみかんの皮、愛媛大教授らが発表

望遠レンズの撮影例

花粉症の症状軽減をヒトレベルで確認

28日、岡山県で開催中の日本農芸化学会にて愛媛大菅原卓也教授らの研究グループが、みかんの皮とヨーグルトの同時摂取で花粉症の症状を軽減する効果がある研究結果を発表しました。

菅原教授は愛媛大学農学部で食品機能学を専門としており、今回の研究は地元企業らとの共同研究で行われたもので、今後花粉症に効果のある機能性食品の商品化なども検討されています。

ヨーグルトと一緒に摂取すると相乗効果

以前からマウスでの実験で、みかんの皮に含まれる「ノビレチン」と牛乳成分である「βラクトグロブリン」を混合摂取することで、くしゃみなどの花粉症の症状に対し、単独で摂取するよりも相乗効果があることが確認されていました。

今回の実験では、スギ花粉症患者が飲むタイプのヨーグルトにすり潰したミカンの皮を混ぜてたものを1日1回、2週間摂取したところ、花粉症によるかゆみや結膜炎の症状を和らげる効果が確認されたそうです。

バランスの良い食生活が前提

こういった話は、前提としてバランスの良い食生活があったうえでの効果です。これだけ食べれば効くという種類の話ではないので、その点は注意してください。

摂取するときに別々に食べるより、一緒に食べるとより効果があるよという話です。

もちろん別々に食べた場合にも、花粉症を軽減する効果が確認されていますので、花粉症の方は積極的に柑橘類やヨーグルトの摂取がおすすめです。

シークワーサーブームもこの「ノビレチン」

このみかんの皮に多く含まれる「ノビレチン」という成分ですが、抗認知症作用があることなどでも有名な有機化合物です。

世界一の長寿村、沖縄大宜味村の長寿の理由を調べる研究において、ノビレチンが要因のひとつに挙げられています。

血糖値を抑えたり、発がん抑制作用や、慢性リウマチなどへの効果が確認され、一時期ノビレチンを多く含むシークワーサーのブームがあったことを覚えられている方も多いでしょう。

花粉症にも効くということで、また人気が出るかもしれません。

4月からの機能性表示食品制度も商品化を後押し

今回、実際に人間での効果が確認されたことは、花粉症で悩むものにとって朗報です。

4月から機能性表示食品制度が始まることですし、近いうちに「花粉症に効く」とした健康食品も多く販売されるでしょう。

花粉の少ないスギへの植え替えなど対策も進められていますが、そちらはまだまだ時間がかかる事業です。

もはや国民病ともよべる花粉症対策として、食品科学の研究に注目が集まります。

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