マッサージを受け呼吸停止、6日後に病院で死亡
昨年6月、大阪市淀川区にあるNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」の事務所にて、「ズンズン運動」と称するマッサージのような施術を受けた生後4か月の男児(神戸市)が死亡した事件。
大阪府警は事情聴取や司法解剖などの捜査を進めた結果、施術を行った新潟県上越市のNPO法人理事長の姫川尚美容疑者を業務上過失致死容疑で、4日に逮捕しました。
マッサージ施術後6日目に死亡
昨年6月淀川区のNPO法人事務所にて、姫川尚美容疑者が神戸市に住む生後4か月の男児にマッサージを施術。
容疑者は男児をうつぶせの状態にし、首を捻ったり膝の上で首を揉んだりしていたところ、施術の途中で男児の呼吸が停止。
スタッフが119番通報した後、病院に救急搬送されましたが6日後に男児は死亡しました。
代表はマッサージなどの国家資格を持っておらず、事件以前にも新潟県で1歳の男児が死亡したケースがあり書類送検されていましたが、この時は不起訴になっています。
このNPO法人は「赤ちゃんの免疫力を高める」と謳い、赤ちゃんの首を揉んだり体を揺らすなどした「ズンズン運動」と称するマッサージを推進。
代表が自分で考案したもので医学的根拠は全くありません。このNPO法人は東京にも事務所を展開しており、約6000人以上に施術を実施しています。
NPO法人はボランティアではない
NPO法人は特定非営利活動法人という名称から、ボランティアだと勘違いされている方がいますが全く別物です。
NPO法人における非営利とは、利益を役員や出資者で分配しないという意味で、団体が存続できる分の収益を上げています。
団体にもよりますが、職員の方々も一般的な水準の給料を貰うことが認められています。
NPO認証法人は平成26年度9月末現在で49,460件あります(税制優遇などが受けられる認定法人数は709件)。
これだけの数の団体があるので、毎年全ての団体について活動内容を1件1件詳細に調査ができない現状があります。
増えるNPO法人を利用した不祥事
残念ながらNPOが掲げる「社会貢献活動」というクリーンなイメージを悪用する人間もいて、NPO法人をめぐる不祥事のニュースが増えています。
東日本大震災の被災者支援を目的としたNPO法人「大雪りばぁねっと。」の3億円使途不明金の事件は記憶に新しいところです。
真面目にNPO法人活動をやられている団体も多くあるので、NPOというだけで怪しいと思うのは間違いです。
しかしNPO法人の中には、暴力団組織や新興宗教団体、マルチ商法会社が紛れ込んでいる現実があります。
大事なことはNPO法人という肩書きだけで無条件に信用しないことです。
特に金銭などが絡む場合は団体の設立目的や活動内容を自分で調べましょう。やたらとNPO法人であることを強調する団体は特に注意してください。
現実でも刑事ドラマでも名探偵コナンでも「聞かれてもないことまで話す人」は、たいてい嘘をついています。