爽快感を残す希望の物語「ショーシャンクの空に」

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人が生きるのに必要なものとは

個人的に映画に関してネガティブな結末の作品はあまり好きではありません。2時間近い時間をかけて観賞した挙句、救いのない結末だったりするとかなりテンションが下がります。

人に勧められて観た作品がそういう時は最悪です。

そんなときは半分仕返しの意味を込めてもっと救いのない作品を勧めたりしますが、相手のツボにはまって逆に感謝されたりなかなか難しいものです。

そんな悪意あるネガティブな思考とは対照的な、前向きで希望あふれる作品「ショーシャンクの空に」を紹介します。

無冠の名作

「ショーシャンクの空に」は1994年公開のアメリカ映画で、原作はスティーブン・キングの小説「刑務所のリタ・ヘイワース」。

日本では地上波やBSなどで何度も放送されている人気の作品で、最近では舞台化も行われています。

公開当時、興行成績はあまりよくありませんでしたが、評論家の評価は高くアカデミー賞では7部門にもノミネートされました。

しかし同年の「フォレスト・ガンプ/一期一会」がほぼ賞を独占したため、残念ながら受賞には至りませんでした。

銀行の副頭取を務めるアンディは、妻とその浮気相手を殺した容疑で裁判にかけられる。

裁判で無実を訴えるも聴きとげられず終身刑の判決が下り、ショーシャンク刑務所での服役が決定される。

そんな絶望的な状況のなかでも決して希望を捨てず前向きに生きていく姿と彼の持つ不思議な魅力に、次第に刑務所の職員や受刑者たちの心をつかんでいく…。

生きることに必要なものは何か

この作品の大きなテーマのひとつは「希望」です。

無実ながら終身刑が言い渡されショーシャンク刑務所への収監される主人公。そこに待ち受けているのは暴力と恐怖が支配する絶望的な世界。

そんな過酷な状況の中でも主人公は決して誇りを捨てず、自らを律し理不尽な世界にも立ち向かっていきます。

主人公アンディの姿に作中の囚人たちと同様、観るものを感化し感銘を受けます。生きるということにおいて大切なものは何であるかと問いかけてくる作品です。

第三者の視点から主人公を眺める作中ではモーガン・フリーマン演じる囚人レッドの視点でストーリーが語られていくのですが、これが非常に効果的に働きます。

視聴者は当然レッドの視点から主人公アンディを観ることとなります。

おのずとレッドが主人公に抱く感情が視聴者とオーバーラップしてくることとなり、レッドが主人公に惹きつけられるのと同様に観ているものも惹きつけられる。

主人公の持つミステリアスな魅力が一層際立ちます。時には普通では考えられない突拍子もないことを考え出す主人公アンディ。

それを第三者の視点から観ることによって囚人レッドと同様、素直に驚いたり感心できる演出になっています。

爽快で美しいラストシーン2時間を超える作品ですが、テンポよくストーリーが展開されとても観やすく仕上がっています。

後半は怒涛の展開で最後まで一気に話が進んでいき、観終わった後は爽快な気分になる、観る人を前向きにする清涼剤のような作品です。

私みたいに他人に仕返しを考えてしまうようなネガティブな気分のとき、ぜひこの作品を観て思い止まってください。

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