脱税額は5億7000万円から5000万へ減額
競馬の払戻金で得た収入について、外れ馬券の購入費が「経費」に該当するかを争われた脱税事件の裁判で、10日最高裁判所は1審、2審の判決と同様「外れ馬券も必要経費にあたる」との判断を示しました。
当たり馬券の購入費のみを経費として国税庁が主張していた脱税額5億7000万円は大きく減額され、約5000万余りの脱税と認定。
被告の元会社員は執行猶予付きの有罪判決が確定しました。
3年間で約1億円の利益
被告の元会社員は競馬の予想ソフトを自分で改造して運用。約3年間、中央競馬ほぼ全レースにおいてインターネットから馬券の購入を繰り返し、払戻金で利益を上げていました。
1レースごとの購入金額は少額ですが、トータルで約29億円分の馬券を購入、結果30億円余りの払い戻しを受け、差し引き1億円余りの所得を得ましたが、申告を行っていませんでした。
利益を大きく超える脱税額
問題となったのは、30億円に上る払戻金を得るために使った必要経費の算出方法で、国税庁の主張は「必要経費として認められるのは当たり馬券の購入費のみ。
国税庁は「外れ馬券を買った分は必要経費に該当しない」とし、5億7000万円の脱税を主張しました。
元会社員が得た1億円余りの利益に比べ、余りにも大幅に上回る税額の支払いを求められたことに対し、競馬ファンのみならず裁判の行方に注目が集まっていました。
元々25%が経費で引かている
中央競馬の払戻金は各種経費などが差っ引かれて、全体の売上(馬券売上額)の約75%が払い戻し金に充てられます。ざっくり言うと馬券を100円買うと75円返ってくる計算になります。
それをプラスに持っていくのがいかに大変なことか、特に競馬ファンは身に染みて解かる問いかけです。
その上に払い戻しで得た金額以上の税金を請求されるのは、少し理不尽な話だと被告に対して同情的な意見も多い事件でした。
必勝法は自分で生み出すしかない
今後、気を付けないといけないのは、この事件を利用した詐欺まがいの商品(競馬予想ソフト)に騙されないことです。
必ず「あの元会社員が使っていた幻のソフト」といったうたい文句で、高額で商品を売って儲けようとする人間が必ず出てくるでしょう。
必ず儲かるなら人に教える必要はないんです。百歩譲って万が一儲かる予想ソフトだったとしても、人に教えると的中者が増え儲からなくなる。
数学的に払戻金は馬券100円に対し75円に必ず収束してしまいます。
必勝法は自分で編み出すしかないんです。必ず勝ちたいと思うなら、まず20キロの亀の甲羅を背負って山の頂上への牛乳配達を始める。そうすれば自然と体力がついて、かめはめ破が…。