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SNSを利用した悪質商法に巻き込まれる中高年層が増加
2020年4月9日に国民生活センターから、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)をきっかけとした消費者トラブルが近年増加していることへの注意喚起が行われました。
2019年度に全国の消費者センターへ寄せられたSNS関連の相談は2010年度に比べると約6倍になっており、とくに50歳以上の相談の増加が顕著です。
ここ数年の中高年層へのスマートフォン普及に合わせて、トラブル件数も増えているので注意してください。
国民生活センター SNSをきっかけとした消費者トラブルにご注意! 中高「生」だけじゃなく中高「年」も[PDF形式](664KB)へのリンク http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200409_1.pdf
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トラブルのきっかけ
SNS関連のトラブルに巻き込まれるきっかけは主に以下のパターンです。
- SNSの広告
- SNS上で知り合った相手からの誘い
- SNS上で知り合った相手との個人間取引
トラブルのきっかけは主にSNS上に表示されている広告からのアクセスと、SNS上で知り合った相手の勧誘です。
SNSのメッセージをやり取りする機能で、知らない相手から直接連絡を受け取るケースも多く見られます。
SNSの広告がきっかけとなるトラブルの例
SNSの広告関連で発生しているトラブルは以下のような内容です。
- 「1回だけ」のつもりで健康食品や化粧品等を注文したが「定期購入が条件」だった
- 広告されているオーディションに合格したが、高額なレッスン受講を契約させられる
- エステを契約したが予約が取れない、施術期間、条件が広告と異なる
- 商品が届かない偽物が届いた
中でも多いのが「定期購入が条件」のトラブルで、「お試し価格」「初回割引」などを謳(うた)いながら実際は継続購入が条件になっているケースが見られます。
SNS上で知り合った相手から誘われるケース
SNS上で通常のやりとりをした相手が、実は勧誘目的だったというのもよくあるトラブルです。
- 情報商材やマルチ商法など儲け話を持ちかけられ費用を支払うが、実際は儲からない
- 出会い系サイトへの誘導してポイント購入など高額な支払いをさせられる
SNS上でコメントなど通常のやり取りで知り合った相手が、情報商材やマルチ商法、出会い系サイトへの誘導などを行うケースもよく見られます。
特にSNSで派手な生活をアピールして消費者を情報商材やマルチ商法へ誘導するケースは後を絶ちません。
最近増えているのはSNSを利用した懸賞詐欺で、現金の当せんを謳(うた)って人を集める方法です。
国民生活センターに相談されたケースでは、「10名に120万円が当たる」で現金をもらえると思ったら実は「120万の価値があるFX自動売買アプリ」でセキュリティ費用などを別途支払いを要求されたといった手口が報告されています。
SNSでメッセージを数回やりとりして出会い系サイトに誘導するケースは、昔からよくあるものです。
SNS上での個人間取引トラブル
フリマアプリなどの普及もあり、最近増えているのがチケットの転売など個人間での取引です。
- アイドルの公演のチケットを譲ると言われて振込をしたが連絡が取れなくなった
- コンサートグッズの代行購入を依頼して代金を支払ったがグッズが届かない
2019年にチケット不正転売禁止法が施行されたため、以前より取引数は減りました。ただ現在でも一部では高額でのチケット取引が行われている状態です。
アイドルのコンサートチケット以外にも、テーマパークの入場券、スマートフォン、自動車やバイク、オンラインゲームのアカウントなども取引されています。
トラブルに巻き込まれないために
実際に会ったことのない相手を、SNS上だけで信頼できるかどうかを見分けるのはほぼ不可能です。
こういったトラブルではお金を支払ったとたんに連絡が取れなくなることも多く、連絡が取れたとしても相手が海外ならどうしようもありません。
金銭のやり取りを行う場合は、かなり慎重に行ってください。
また金銭だけでなく、学生証、運転免許証、健康保険証など身分証明書の画像を送信することも基本的には避けてください。
以前はこういったトラブルに巻き込まれるのは若い世代がほとんどでしたが、スマートフォンの普及で被害が高い年齢層にも拡がってきています。
ある程度ネットに慣れて活用しているユーザーが被害にあっているので、充分注意してください。
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